読書

「プロティアン・キャリア」人生100年時代の働き方⑤(最終回)

こんにちは「おかねとマネジメントの相談所」所長のナガツバです。

さて、今回も前回に続き、田中研之輔さんの「プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術」から引用させていただきながら、働き方のお話を少ししたいと思います。

前回のおさらい

前回の内容について少しまとめると、

・これまでの組織内での昇進・昇格というキャリアは「直線的なキャリア」である。

・しかし、最近は転職などして直線的キャリアに当てはまらない人も出てきている。

・キャリアは組織の中の「結果」ではなく、個々人が能力を高めていく「過程」である。

・したがって「キャリア」とは、これまで生きてきた足跡(結果)であり、生き方を客観的・相対的に分析すること(現在)でもあり、そして、これからの生き方を構想する羅針盤(未来)である。

詳細をご覧になりたい方は以下からご覧ください。

改めて〜終身雇用はもう限界〜

さて、本シリーズの冒頭でもお話ししたように日本型の雇用形態である「終身雇用制度」ですが、すでに終焉を迎えております。

それは財界のトップの言葉からもわかります。

トヨタの豊田章男社長は「終身雇用を守るのは難しい」と話してます。

また、元経団連会長で日立製作所会長だった故 中西宏明 氏も「終身雇用は制度疲労を起こしている。終身雇用を前提にすることが難しくなってきている」と話してます。

一方で国は70歳までの雇用を企業の努力義務として、以下のとおり令和3年4月より「高年齢者雇用安定法」を改正しています。

厚生労働省「高年齢者雇用安定法 改正の概要」より

つまり、国民の皆さんに長く働いてもらわないと、社会保険制度や医療制度が守れないということであるというメッセージでもあると私は受け取ります。

大企業は終身雇用は守れない、国は70歳までは働いてほしいという環境の中で働く側の人間はどうやって生きていけばいいのでしょうか?

自分の働き方は自分で考える〜キャリア形成の3つのアプローチ〜

働き続けるために著者は二つの選択肢があると述べてます。

A:「企業は終身雇用すべきだ」と断固として主張し続けること。
B:今後の方向性を理解した上で、自分でできることで対応策を練っていくこと。

本書ではBの考え方に基づいて展開していくわけですが、その上で主体的にキャリアを形成する具体的なアクションとして以下の3つのアプローチがあると著書では書いております。

一つは、社員が部門や役職、立場、事業所などの境界を超えて、会社に貢献する「バウンダリレス・キャリア」。
二つ目が、本職を持ちながら第二のキャリアを築く「パラレル・キャリア」です。
三つ目は「副業・兼業」。2019年6月にまとめれられた国の成長戦略の柱の一つには、副業や兼業をしやすくする環境づくりが掲げられました。

「プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術」田中 研之輔 著

おわりに ~人生100年時代の働き方~

5回に渡り、田中研之輔さんの「プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術」を引用させていただきながら、働き方のお話をいたしました。

いかがでしたでしょうか。

働く方に向けてお話しさせていただきましたが、実は経営者の皆様へのメッセージでもあります。

経営者の皆様もかつては働く側だった方もいらっしゃるかと思いますが、これまで話してきたように、自分が歩んできた時代と全く異なる環境がこれからは訪れようとしております。

つまり、働く側は皆さんの会社のために未来永劫お勤めになられるという可能性は終身雇用時代と比べ低くなっていくということになります。

このことを、経営者の皆さはどう捉えるでしょうか?

「優秀な人材がいなくなっては困る!」

こうおっしゃる方もいるかと思います。

しかし、人生100年時代において人材の流動化こそが、会社組織の活性化につながっていくと私は思います。

活き活きとしている組織には常に新しい風が吹いてます。

それは、自社の経営理念に共感し「御社で働いてみたい」という人が常にいる状態であり、こういう状態を作り上げるのは誰でもない経営者であると私は思います。

人生100年時代の働き方に働く側だけではなく、経営者の皆様も常に変化をしていかなければいけません。

そして、働く側の皆さんは、自分のキャリアは会社任せにするのではなく、自分で築き上げていく必要があるということがお分かりいただけたでしょうか。

そして、築き上げたキャリアでやりがいを持って楽しく人生100年時代を生きていきましょう。

ということで、今日は「『プロティアン・キャリア』人生100年時代の働き方」についてお話しさせていただきました。

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それではまた。

プロティアン・キャリアについて詳しく知りたい方は田中研之輔さんの著書「プロティアン」をご覧ください。

プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術 [ 田中研之輔 ]

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感想(2件)

もう少し実践的な内容を知りたい方は、著者の以下の書籍も参考なるかと思います。
「プロティアン・キャリア」をいかに実践していくか、実践のワークについて触れております。

今すぐ転職を考えていない人のためのキャリア戦略 [ 田中 研之輔 ]

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