読書

「プロティアン・キャリア」人生100年時代の働き方④

こんにちは「おかねとマネジメントの相談所」所長のナガツバです。

さて、今回も前回に続き、田中研之輔さんの「プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術」から引用させていただきながら、働き方のお話を少ししたいと思います。

前回のおさらい

前回の内容について少しまとめると、

・プロティアン・キャリアを考える上での3つの視点
 1.キャリアは組織に預けるものではなく、自分で育て、形成する。
 2.キャリアは昇進などの結果ではなく、生涯と通じた全過程である。
 3.キャリアは変化に応じて、自分で変えることができる。

・今までのキャリア論は昇進するための尺度でしかなかったが、プロティアン・キャリア論ではキャリアの成否を決めるのは自分であるという考え方である。

・キャリアは会社組織の昇進という「結果」ではなく、生きていく中の「プロセス」である。

・キャリアは刻一刻と変わる環境の中で自らが変化に対応できるように変えることができる。

詳細をご覧になりたい方は以下からご覧ください。

そもそも「キャリア」とは何か?

これまで3回に渡り「プロティアン・キャリア」という考え方を通じてこれからのキャリアのあり方についてお話ししましたが、今回はそもそも「キャリア」とは何かについてお話しさせていただきます。

著書のなかで「キャリア」とは次のように定義付けされてます。

キャリアとは、個人がこれまで経験してきた「軌跡」のこと。

軌跡といっても、通ってきた道に刻まれた痕跡というだけでなく、イメージで言うならより立体的なもの。

「プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術」田中 研之輔 著

つまり、どういうことかというと、皆さんが俗に言う「キャリア」とは、組織の中での昇進や昇格あるいは資格や達成といった“通ってきた道に刻まれた痕跡”であり、組織の中での狭い意味での「キャリア」をイメージするかと思います。

これを著者は「直線的なキャリア」と呼んでいます。

一方で、最近は大学を卒業してから同じ組織でずっと働き続けるのではなく、転職をしたりする方もおり、直線的なキャリアに当てはまらない経路を辿っている方々もいらっしゃいます。

また、同じ組織で働いたとしても、昇進が出来なかったり、望まない部署への異動があったりして直線的キャリアでは自分らしい生き方が出来ない可能性もあります。

これからのキャリアとは?

そこで、これからの働き方にフィットするモデルを著書では次のように書いてます。

これから先の働き方にフィットするのは、直線的なキャリアモデルではありません。
棒高跳びの棒のようにぐっと力を溜め込んで、あるとき、その〝溜め〟から一気に力を放出するようなモデルです。
このように考えると、一つの組織の中で昇進や昇格という客観的な評価を受けなくても、その過程がキャリア形成の〝溜め〟だと捉えることができます。

「プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術」田中 研之輔 著

つまり、キャリアは組織の中の「結果」ではなく、個々人が能力を高めていく「過程」であるということです。

私たちはこれまで、キャリアとは組織の中で頑張ってきた「結果」であり、それが昇進や昇格につながってきたという考え方でした。

しかし、これからの時代のキャリアとは個人個人の経験を通じて能力を蓄積していくプロセス「過程」であるという認識にたたなければいけないということになります。

したがって「キャリア」とは、これまで生きてきた足跡(結果)であり、生き方を客観的・相対的に分析すること(現在)でもあり、そして、これからの生き方を構想する羅針盤(未来)であると著書は定義付けしております。

続きはまた次回お話しさせていただきます。

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それではまた。

プロティアン・キャリアについて詳しく知りたい方は田中研之輔さんの著書「プロティアン」をご覧ください。

もう少し実践的な内容を知りたい方は、著者の以下の書籍も参考なるかと思います。
「プロティアン・キャリア」をいかに実践していくか、実践のワークについて触れております。