こんにちは「おかねとマネジメントの相談所」所長のナガツバです。
皆さんはお金が足りなくって困ったことはありませんか?
お金に余裕がないと事業にも専念できなくなりますよね。
そんな時にどの順番でお金を払えば良いのでしょうか。
実際に金融機関とも交渉してきたナガツバがどの順番でお金を払えば良いのかを徹底解説いたします。
一見難しそうですが、この記事を見れば10分でお金の払い方をマスターできます。
この記事で分かることはこちら↓
・何からお金を支払えばよいのか。
・借入金を返せない時どうすればよいのか。
・お金の流れを把握するためには何が必要か。
ぜひ最後まで読んでください。
本日の相談
来月の支払いに困っています。従業員への給料を払わなければいけないし、仕入れ先にも支払いがあります。
また金融機関からもお金を借りているし、
税金も払わなければいけませんが、全ては払えません。一体どの順番で支払えば良いのでしょうか?
私のところに相談にいらっしゃる方には以下の順番で支払うようにお話ししております。
結論
- ①仕入れ先への支払い
- ②従業員のお給料
- ③税金の支払い
- ④金融機関への借入金の返済
えー!金融機関の返済を真っ先にしないと借金の取立てに来るんじゃないの?
いえいえ大丈夫です。安心してください。
金融機関の印象が悪くならない方法もお答えします。
それでは順番に解説していきましょう。
どの順番で支払うべきか?
事業をしていると、売り上げとして入ってくるお金もありますが、支払わなければいけないお金もあります。
例えば…
A.従業員のお給料
B.仕入先への支払い
C.金融機関への借入金の返済
D.税金の支払い
などなど。
当たり前ですが、出ていくお金よりも入ってくるお金が多ければ上記の支払いは続けていけます。
しかし逆の場合、つまり出ていくお金の方が入ってくるお金よりも多ければどうなるでしょうか?
当然、手元のお金がどんどん減っていきますよね。
そうこうしているうちに、気がついたらお金が足りなくて支払いができない…
私のところにいらっしゃるお客様でもたまにおります。
ではこういう時に、皆さんだと①~④をどの順番で支払っていきますか?
私のところに相談にいらっしゃる方には以下の順番で支払うようにお話ししております。
1.仕入れ先への支払い
2.従業員のお給料
3.税金の支払い
4.金融機関への借入金の返済
もちろん、この順番に異論を唱える方がいらっしゃるかもしれません。
これからお話しさせていただくことは、あくまでも私のこれまでの経験からそう思うものであり、この順番が皆さんの最適解となるかは、置かれている環境が異なるので最終的には皆さんの判断となることをご理解いただいた上で「ナガツバ的見解」として読み進めていただけると幸いです。
では順番に解説していきます。
1番目に支払うべきもの
仕入先への支払い
皆さんの会社の売り上げや利益を作っているのは、もちろん買っていただくお客様ですが、もう一人の主役は誰でしょうか?
それはそう仕入先です。
基本的には仕入先から、材料や商品を買って、そこに付加価値をつけてお客様に販売しているから売り上げや利益となるのです。
したがって、真っ先に仕入先への支払いを優先的に行うことが必要であると私は考えます。
では、仕入先への支払いができないとどうなるででしょうか?
皆さんが仕入先であれば支払いが悪い先へ材料や商品を売るでしょうか?
お金がもらえないんだったら、タダであげたことと同じになるよね。
そうですね。ではそのような取引先とこれからもお付き合いできるでしょうか?
ボランティアじゃないんだからすぐにでも手を引くよ!
そうですよね。
つまり、仕入先に支払いをしないと、売り上げの元になる材料や商品を買えなくなります。
したがって、商品やサービスを販売することができなくなり、売り上げや利益が上がらずますます支払いが苦しくなり、最後には倒産…
ということにもなりかねません。
倒産!!!
それだけは避けなければいけないね。
まずは事業を継続させなればなりません。
そうしないとお金を生み出せません。
だから取引先への支払いが優先なのです。
仮に取引先と交渉して支払いを待ってもらえるのならばそれに越したことはありません。
しかし、要らぬ風評を考えるのであれば、まずは取引先への支払いを優先すべきでしょう。
したがって、仕入先への支払いは何としても最初に支払うべきであると私は考えます。
2番目に支払うべきもの
従業員のお給料
では次の質問です。
会社の売り上げや利益を作っているのは、
お客様、仕入先、
あともう一人は誰でしょうか?
えー 誰だろう。ぼくも会社の代表として一生懸命お客様のところいってるよ。
もちろん社長ご自身も頑張っていると思います。
しかし従業員さんが一生懸命働いてくれるから
会社は売り上げや利益を上げられるのではないでしょうか。
そうだね。
会社のために毎日頑張っている従業員がいるから売り上げが上がるんだね。
仮にあなたが逆の立場で従業員であれば、
お給料が決まった日にもらえないとなればどうでしょうか?
「給料日に住宅ローンの引き落としがあるのに払えない…」
「子供の学校の授業料が払えない…」
そうなんです。会社から毎月お給料をもらえないと生活に大きな影響が出てしまうかもしれません。
そうなると
「この会社大丈夫か?」
「今のうちに別の就職先探しておこうかな」
と考える従業員も出てきてもおかしくありません。
そして、最終的に従業員は辞めていき、売り上げや利益はガタ落ち。
お金が入ってこない分、ますます支払いが苦しくなり、
最後には倒産…
ということにもなりかねません。
また倒産!!!
それだけは避けなければいけないね。
だから、従業員の給料は仕入先の次に支払うべきであると私は考えます。
3番目に支払うべきもの
税金の支払い
皆さんは国民の三大義務をご存知でしょうか?
それはわかるよ。
「教育」「勤労」「納税」でしょ。
そうです。「教育」「勤労」「納税」です。納税は国民の義務です。会社であっても納税は義務です。
これを怠るとどうなるでしょうか。
税務署や役場から「税金ちゃんと納めてね」という催告(さいこく)がきます。それも無視し続けると「差押予告書」というものが皆さんに届きます。これはどういうものかというと、
「あなたの持っている預金口座や家や土地などの財産を差し押さえますよ」
という予告文書です。つまり「持っている資産を現金化してでも税金を払ってもらいます」という意味です。
それと時を同じくして、金融機関にも皆さんの口座に今いくら預金があるのか税務署や役場から照会があります。こうなると金融機関にも税金を払っていないことがバレます。
ではどうすればいいのでしょうか?
払えないと分かった瞬間に税務署や役場などへ出向き、事情を説明した上で、「毎月○○円なら払えます」や「○月まで支払いを止めてください」などの交渉をしましょう。
相手も鬼ではありません。事情をきちんと説明すれば理解してくれるでしょう。
ただし、滞納が悪質な場合は認めれない場合もありますのでご注意を。
4番目に支払うべきもの
金融機関への借入金の返済
借金を返せないとドラマのように怖いお兄さんが取立てに来るんじゃないの?
とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
それは民間金融機関や政府系金融機関といったところからの借入ではまずないでしょう。
では返せないと分かったらどうすればいいのでしょうか?
これも税金同様、返せないと分かった瞬間に金融機関へ相談し返済を止めてもらう。
もしくは返済できるだけの金額に返済額を落としてもらうなどの相談を行います。
この返済額を変更することを「リスケジュール(略してリスケ)」と呼びます。
何故払えないのか、いくらまでなら払えるのかを誠意を持って説明すれば金融機関の担当者も鬼ではないので理解してくれると思います。
ただし、大事なのは誠意を持って説明してもそれが感情論ではNGです。
「苦しいから助けてください。」
「お金がないから待ってください。」
だと担当者も
「お気持ちは理解できますが、では月々幾らまでなら払えるのか具体的な数字の根拠を出してください。」
と言わざるを得ないでしょう。
当たり前ですが、担当者にも上司がいます。
上司に説明する際に、
「お客さまが困っているので来月から返済を止めてもいいでしょうか?」
なんてことを言ったら皆さんならどう思いますか?
恐らく上司には、
「お客さまは何を根拠に払えないと言っているのか?いくらなら払えるのか?数字の根拠を示しなさい。」
と言われると思います。
担当者も人の子ですから皆さんが支払えないという気持ちは十分に分かっていると思います。
しかし、数字の根拠がなければ前には進みません。
したがって大事なのは「数字」です。
そこで登場するキーワードが「フリーキャッシュ(フロー)」です。
フリーキャッシュ(フロー)とは?
金融機関の担当者がよく口に出す言葉で「フリーキャッシュ」又は「フリーキャッシュフロー」というのがあります。
「フリー」つまり【自由】に使える
「キャッシュ(フロー)」【お金】が
幾らあるかと理解していただければいいかと思います。
今月は幾らで入ってきて、いくら出て行ったか。
来月は幾ら入る予定で、いくら出ていく予定か。
でさらにその次の月は…
ということを数字で見せるのです。
このお金が幾ら入ってきて、幾ら出ていくのかを記載したものを「資金繰り表」といいます。
簡単に言えば、子供のお小遣い帖のようなものです。
現金ベースでのお金の流れを把握する際に必要なもので非常に大事なものであるにも関わらず、私のところにいらっしゃるほとんどの方はご自身でお作りになることはできません。
それもそのはず、だって学校では教えてもらってませんから。
大人になってご商売を始めて、初めて世の中のお金の流れを知ったという人が今の日本では殆どではないでしょうか。
だから、資金繰り表は出来なくて当然なんです。
しかし、当然ではありますが、経営に携わる方であれば資金繰り表が作れて当然にならなければいけないと私は思います。
だって金融機関に支払いを待ってもらうのに具体的に数字で根拠を示す必要があるわけですから。
それ以前に、会社にお金がなくなるかどうかを事前に予測する必要があるわけです。
フリーキャッシュフローや資金繰りの基本になる運転資金についての詳しい説明は以下をご覧ください。
まとめ
それでは、本日のまとめです。
①仕入先→②お給料→③税金→④借金の返済
・仕入先への支払いをしなければ売るものを作れなくなる。
・お給料を払わなければ従業員が働かなくなる。
・税金を払わなければ最悪資産が差し押さえられる。
・そして残ったお金で借金の返済をする。
・約束通り借金が返せないなら金融機関に相談する。
・その際、資金繰り表のなど数字の根拠を示して説明する。
以上になります。
最後に〜絶対やってはいけないこと〜
最後に、絶対やってはダメなのは、ほったらかしにすることです。
「来月になればお金が入ってくるから何とかなるさ~」
では通用しません。キチンと支払うべきものは支払う。
支払えない場合は、このブログを参考に優先順位をつけて支払いをするようにしてみてください。
それではまた。